屋根への瓦葺きにおいて、昭和初期に主流だった土葺きという方法がありました。
これは、葺き土(瓦を接着するための赤土)の上に瓦を葺くだけのやり方であり、大量の土を使って瓦を固定するものでした。
昭和初期などの瓦は製造過程で歪みが多数あり、暴れた瓦を収めるためには葺き土を入れて調整していく工法が主流であったためです。
またステンレス釘といった建物に留め付ける材料が普及してなかったことも原因の一つでした。
土葺きのメリットは、大量の土を使って瓦を葺くため、地震や台風の際に瓦がズレづらいことです。
一方で重量が出るため屋根が重くなり、耐震性へ悪影響を及ぼすと考えられています。
西日本では阪神淡路大震災、関東では関東大震災をきっかけとしてこの考えが進み、現在では土葺き工法で屋根を葺くことは激減しています。