その名称から、いかにも「火災のときしか申請できない」というイメージを持ってしまいがちな火災保険。 実は火災でなくとも、風害、雪害などの「自然災害で破損した建物」の場合、ご加入中の火災保険が適用される場合があるのです。
台風や大雪が原因で破損してしまった雨樋は、正しい保険申請を行うことで、最大実負担0円で修理することも可能です。
加入したままになっている火災保険、これを機会に、一度お手元の書類を確認してみてはいかがでしょうか。
火災・落雷・爆発
「住まいの保険」の基本となる補償です。
火災や落雷、ガス漏れなどによる爆発などにより損害が生じた場合に保険金が支払われます。
また、これらの災害の後片付け清掃、搬出など後片付けにかかる「残存物取片付け費用」も補填されます。
意外なところでは、近年はゲリラ豪雨などもあり落雷が頻繁に発生していますが、雷によって壊れてしまった電化製品(テレビやパソコンなど)も補償されます。
風・ひょう・雪災
近年は大型の台風や暴風が頻繁に発生しており、瓦やコロニアル材が浮いたり飛んだりしています。
さらに飛んだ屋根材がガレージを破壊したり他人の家屋に被害を及ぼすケースも決して珍しくありません。
また、普段は雪がめったに降らない地方にも何十年ぶりのドカ雪やひょうなどが降っています。このような多種にわたる自然災害が原因で損害が生じた場合に保険金が支払われます。
水災・水漏れ
台風や暴風雨などが原因で起こった洪水や高潮、土砂崩れによって建物が床上浸水となった損害に対して保険金が支払われます。
また、これからの片付け清掃など後片付けにかかる「残存物取片付け費用」なども含まれます。
屋内では、給排水設備の故障で床が水浸しになったり、マンションでは上階の住人が水漏れを起こし、天井・壁が濡れるなどの事故も補填されます。
グラフを見てお分かりの通り、火事による火災保険の利用は意外にも少なく、全体の6割が風災や水災・雪災によるものです。
「この破損は自然に劣化したものなのでは?」というケースでもかなりの確立で補償が適用されていますし、「この程度の被害なら保険金を申請するだけ無駄だろう」と諦めていたようなケースでも100万円以上の保険金が支払われることは難しくありません。
自動車保険と違い、火災保険の場合は保険を使っても保険料が上がることはありませんし、しかも被災するたびに何度でも申請が可能です。
ですから、少しの被害でも気づいた時に調査、申請がお得です。
①保険の申請には、実質期間の制限がない
火災保険の補償対象となる期間は、自然災害によって家が災害を受けた日から通常3年以内に保険会社へ火災保険の申請依頼をしなければいけません。
ですが、実は強風や突風と呼ばれる「強い風」のレベルでも、火災補償の対象になる可能性があるのです。
火災保険の適用対象となるレベルの強い風も、3年間という期間の中でしたら数回は吹いていると思われますので、風災補償による火災保険の申請期間の制限は実質ないと言えるのです。
②損害額の20万円は、気にしなくてよい?
火災保険における風災補償を受けるには、損害額が20万円以上でなければ受けることができないという情報を耳にしたことはありますでしょうか?
屋根の修理金額が21万円の場合は、補償対象金額を1万円、残りの20万円を自己負担しなければならないというような勘違いを多くの方がされているようです。
ですが実際は、屋根の修理金額が21万円になる場合は修理費用の全額(21万円)が補償対象となるのです。
(修理金額が19万円の場合は火災保険の補償対象とならず、補償金は0円となります)
また実際はたいしたことの無いスレートのちょっとした割れや雨樋などの破損でも修理金額が20万円以上になる場合がほとんどになるので、火災保険が適用されるケースは実は意外にも多いのです。
最近、リフォーム詐欺業者が大挙して保険金詐欺に進出しているそうです。
その手口は、経年劣化による損耗を直近の台風のせいにしましょうと持ちかけてきて保険会社に虚偽の報告をして保険金を騙し取ります。
なんとその場合、お施主様も詐欺の共犯となり、発覚すれば告発されてしまうということが起きてしまうのです。
そのような代行業者は安く修理を済ませれば済ませるほど利益が増やせるため、最低限の工事しか下請けに施工をさせません。
もっと言うと、保険申請の時には隅々まで完璧で高額な見積もり書を作成しますが、実際の施工依頼は適当だったり、その場しのぎで済ませてしまうということです。本当に行なうべき施工ができないので、いい修理、いい工事などできるはずがありません。
ですからそのような代行業者に頼むよりも、信頼のできるリフォーム業者に直接リフォームをご依頼いただく方が確実なのです。