: 高知市の葺き替え現場で発覚!ルーフィングの「重ね代不足」が雨漏りの原因に|瓦の下の防水シートこそ屋根の生命線
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高知市の葺き替え現場で発覚!ルーフィングの「重ね代不足」が雨漏りの原因に|瓦の下の防水シートこそ屋根の生命線
こんにちは、高知の屋根工事専門店・村山瓦です。
「瓦は割れていないのに、なぜか雨漏りする」——そんなご相談、実はとても多いんです。今回は、高知市で行った葺き替え工事の現場で実際にあった、ルーフィング(防水シート)の重なりが極端に少なかったことによる雨漏りの事例をご紹介します。
普段は見えない「瓦の下」で何が起きていたのか、そして私たちがどう改善したのか。現場目線でお話しします。
高知市の葺き替え現場で見つけた「雨漏りの本当の原因」
「瓦はきれいなのに雨漏り」という違和感
今回のお住まいは、高知市内の瓦屋根のお宅。雨が強い日になると天井にシミが出るということで、葺き替え工事をご依頼いただきました。
屋根に上がって外から見た段階では、瓦の大きな割れやズレは目立ちませんでした。こういう屋根は、職人として一番「怪しい」と感じるパターンです。表面に原因がないなら、原因は瓦の下に隠れている可能性が高いからです。
瓦をめくって見えたルーフィングの状態
既存の瓦を一枚ずつ丁寧に撤去していくと、下からルーフィング(防水シート)が現れました。そこで目に飛び込んできたのが、シート同士の重なりが極端に少ない状態です。
メジャーを当てて調査したところ、本来であれば上下方向(流れ方向)に100ミリ以上、横方向(長手方向)に200ミリ以上重ねなければならないところ、実際には基準の半分以下の重なりしかありませんでした。
重なり部分の下の野地板には、雨水が回り込んだ跡がくっきり。黒ずみや湿りが残っていて、「ここから入っていたんだな」とすぐに分かる状態でした。

現場の職人の本音
ルーフィングは瓦を葺いてしまえば二度と人の目に触れない部分です。だからこそ、ここで手を抜かれると施主さんは気づきようがないんです。ほんの数センチの重ねの違いですが、その数センチが何年、何十年と家を守るかどうかを左右します。正直、こういう現場を見ると悔しい気持ちになりますね。
なぜ重ね代が少ないと雨漏りするのか
瓦屋根は、瓦だけで100%雨を止めているわけではありません。強風をともなう雨や、瓦の隙間から入り込んだ雨水は、瓦の下のルーフィングの上を流れて軒先へ排出されます。
このとき、シートの重なりが少ないと、
- 風で吹き上げられた雨水が、重なりの隙間からシートの裏側へ逆流する
- 重なり部分を伝う毛細管現象で、水がじわじわと上へ吸い上げられる
- 瓦を留める釘やタッカーの穴から、野地板へ水がしみ込む
といったことが起こります。一度の雨では目に見えなくても、繰り返すうちに野地板が傷み、やがて室内の雨漏りとして表面化するのです。
そもそもルーフィングとは?瓦の下にある"最後の砦"
ルーフィングとは、野地板(屋根の下地板)と瓦の間に敷く防水シートのことで、「下葺き材」とも呼ばれます。屋根の防水は「瓦(一次防水)」と「ルーフィング(二次防水)」の二段構えになっていて、ルーフィングは雨水が建物内部へ入るのを食い止める最後の砦です。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| アスファルトルーフィング | 古くから使われる一般的な防水シート。コストを抑えやすい |
| 改質アスファルトルーフィング | ゴムや樹脂を加えて耐久性・柔軟性を高めたもの。釘穴まわりの止水性にも優れる |
| 透湿ルーフィング | 雨は通さず湿気は逃がすタイプ。屋根裏の結露対策に有効 |
どんなに高性能なシートを選んでも、張り方(施工)が正しくなければ性能は発揮されません。今回の現場は、まさにその典型でした。
ルーフィングの正しい重ね代(重ね幅)の基準
ルーフィングの張り方には、業界団体の施工要領や住宅瑕疵担保責任保険の設計施工基準などで示された目安があります。代表的なものをまとめると次のとおりです。
| 部位 | 重ね代・張り方の目安 |
|---|---|
| 上下(流れ方向) | 100mm以上重ねる |
| 左右(長手方向) | 200mm以上重ねる |
| 棟部 | 棟を越えて反対側へ250mm以上折り返す/棟頂部から左右へ増し張りを行う |
| 谷部 | 先に一枚ものを捨て張り(先張り)してから一般部を張る |
| 壁との取り合い | 壁面に沿って250mm以上、かつ雨押え上端より50mm以上立ち上げる |
張る順番も重要です
ルーフィングは必ず軒先(水下)から棟(水上)に向かって張っていきます。上のシートが下のシートに覆いかぶさる形にすることで、水が自然に下へ流れ、重なり目から入り込まない仕組みになります。順番を逆にすると、重ね代が十分でも雨水を呼び込んでしまいます。
なお、細かな納まりは使用するルーフィングや屋根材メーカーの仕様によって異なります。私たちは基準を「最低ライン」と考え、現場の条件に合わせてそれ以上の安全マージンをとるようにしています。
今回の現場で行った改善策|重ね代の確保と棟部の二重張り
改善① 基準どおりの重ね代をしっかり確保
葺き替えにあたり、既存のルーフィングはすべて撤去。傷んでいた野地板の状態も確認したうえで、新しいルーフィングを張り直しました。
新しいシートは上下方向100ミリ以上、横方向200ミリ以上の重ね代を一段ずつメジャーで確認しながら施工。シートには重ね位置の目安となるラインが印刷されているものも多いですが、「ライン任せ」にせず、必ず自分の目と手で確かめます。
改善② 雨水が集まりやすい棟部は「二重」に重ねる
屋根の頂上にあたる棟部は、両側の屋根面が合わさる部分で、風雨の影響を最も受けやすい場所です。特に台風の横殴りの雨では、棟まわりから雨水が吹き込みやすくなります。
そこで今回は、通常の折り返しに加えて棟部のルーフィングを二重に重ねる施工を行いました。万が一、棟瓦の下に雨水が回り込んだとしても、二重の防水層で受け止められるようにしています。
職人として大切にしていること
「基準を満たしていればOK」ではなく、「この家に、この先何十年も安心して住んでもらえるか」を考えて施工するのが村山瓦の考え方です。棟部の二重張りは材料も手間も少し増えますが、雨漏りのやり直し工事に比べれば、はるかに小さな投資。施主さんにもその理由をきちんと説明して、納得いただいたうえで施工しました。
改善③ 施工中の写真でお客様と共有
瓦を葺いてしまうと、ルーフィングは見えなくなります。だからこそ私たちは、施工途中の写真を撮影し、重ね代や棟部の納まりをお客様に見ていただくようにしています。「見えない部分こそ、見える化する」。これが安心につながると考えています。
高知の雨・台風を知る職人だからこそ伝えたいこと
高知は全国でも有数の多雨地域で、夏から秋にかけては台風の通り道にもなります。一度に降る雨の量が多く、風をともなう横殴りの雨も珍しくありません。
こうした環境では、瓦の隙間から雨水が入り込む機会が他の地域よりも多くなります。つまり、高知の屋根ほど、ルーフィングの施工品質が雨漏りの有無に直結するということです。
創業から70年以上、高知で屋根を見続けてきた私たちは、地域の気候に合わせた「ひと手間」の大切さを肌で感じています。重ね代を基準以上にとる、棟や谷を補強する——こうした積み重ねが、台風シーズンを何度越えても安心できる屋根をつくります。
施主さんが確認できる!葺き替え時のチェックポイント
ルーフィングの施工は専門的な部分ですが、施主さんでも確認できるポイントがあります。業者選びの参考にしてください。
- 見積書にルーフィングの種類が明記されているか(「防水シート一式」だけになっていないか)
- 重ね代や棟・谷の納まりについて説明があるか
- 施工中の写真を見せてもらえるか(ルーフィング施工時の写真は特に重要)
- 雨漏りの原因調査をしたうえで提案しているか(瓦の交換だけを勧めていないか)
- 自社職人が施工するか(施工の責任の所在がはっきりしているか)
こんな症状があれば、早めの点検をおすすめします
- 強い雨や台風のときだけ天井にシミが出る
- 瓦に目立った破損はないのに雨漏りが続く
- 以前に雨漏り修理をしたのに再発した
- 築年数が経ち、一度も屋根の下地を確認したことがない
瓦の下のルーフィングが原因の場合、表面だけの補修では根本的な解決になりません。
よくあるご質問
- Q. ルーフィングの寿命はどのくらいですか?
- A. 種類や環境によって異なりますが、一般的なアスファルトルーフィングで20年前後がひとつの目安です。改質アスファルトルーフィングなど高耐久なものはさらに長持ちします。瓦自体はまだ使える状態でも、下のルーフィングが寿命を迎えているケースは少なくありません。
- Q. ルーフィングだけを交換することはできますか?
- A. 瓦屋根の場合、既存の瓦を一度めくってルーフィングを張り替え、瓦を葺き直す「葺き直し」という方法があります。瓦の状態が良ければ再利用でき、費用を抑えられる場合もあります。屋根の状態を見て最適な方法をご提案します。
- Q. 外から見ただけで重ね代不足は分かりますか?
- A. 残念ながら、瓦を葺いた状態では外から確認できません。雨漏りの症状や屋根裏の状態、部分的な瓦の撤去などから総合的に判断します。村山瓦では瓦屋根診断技士の知識をもとに、原因をしっかり調査したうえでご説明します。
まとめ|見えない部分にこそ、職人の責任がある
今回の高知市の現場では、瓦の下に隠れたルーフィングの重ね代が基準の半分以下だったことが雨漏りの原因でした。改善として、上下100ミリ以上・横200ミリ以上の重ね代を確実に確保し、さらに棟部は二重に重ねる施工を行いました。
屋根は、完成してしまえば中身が見えない工事です。だからこそ、私たち村山瓦は「見えない部分こそ丁寧に」を大切にしています。相談・調査からご提案、施工、アフターフォローまで一貫して自社で対応しますので、雨漏りや屋根のことで気になることがあれば、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。




