雨が降るたび樋から水があふれる…
- 代表村山の現場ブログ
皆さんこんにちは。村山瓦の村山です。
本日は高知市春野町のお客様から「雨が降るたびに、樋から水があふれてしまう」というご相談をいただき、現地調査に伺いました。
雨樋のトラブルは、屋根そのものに比べると後回しにされがちです。ただ、あふれた雨水は外壁を伝ったり、屋根の一か所に集中して流れたりと、放っておくと家のあちこちに負担をかけます。今回の現場では原因が2か所見つかりましたので、実際に見た状態と、どう直すことをご提案したのかをお伝えします。
目次
春野町の現場で起きていたこと
お客様のお話では、「強い雨のときだけでなく、普通の雨でも樋のふちから水がこぼれてくる」とのこと。地上から見上げると、軒先から滝のように水が落ちた跡が外壁に残っていました。
雨樋があふれるとき、現場ではまず「水の入口」と「水の出口」を順番に確認します。どこで水の流れが止まっているのか、あるいは流れる先がきちんと用意されているのか。これを一つずつ追いかけていくと、原因はたいてい見えてきます。
今回は屋根に上がって軒樋・集水器・竪樋を一通り確認したところ、性質のまったく違う不具合が2か所ありました。
原因① 集水器まわりの「自在ドレン」が詰まっていた
自在ドレンとは?見た目はすっきり、でも弱点も
1か所目は、軒樋から竪樋へ水を落とす部分に自在ドレンが使われていました。
一般的な雨樋では、軒樋と竪樋のつなぎ目に「集水器(じょうご)」と呼ばれる箱型の部材を付けます。一方の自在ドレンは、軒樋の底に直接取り付けて竪樋へつなぐ部材で、箱が出っ張らないぶん軒先がすっきり見えるのが長所です。
ただ、現場の感覚で言うと、自在ドレンは箱型の集水器に比べて水の落ち口(開口部)が小さく、ゴミが溜まる余裕も少ないため、定期的な掃除をしていないと詰まりやすいという側面があります。見た目の良さと引き換えに、メンテナンスの手間が少し増える部材だと考えていただくとよいと思います。

実際の状態:泥と枯葉で開口部がふさがっていた
中をのぞくと、軒樋の底には泥が薄く堆積し、その上に枯葉が重なって、ドレンの開口部をほぼふさいでいました。これでは雨水が竪樋へ落ちていけません。行き場を失った水が軒樋の中で水位を上げ、ふちからあふれていた、というのが1か所目の原因です。
樋の中の泥は、屋根から流れてくる砂ぼこりや、風で運ばれてきた土が少しずつ溜まったものです。一度溜まり始めると、そこに枯葉が引っかかり、さらに泥をせき止める……という悪循環になります。お客様が「急にあふれるようになった」と感じていても、実際は何年もかけて少しずつ進んでいたケースがほとんどです。
ご提案:樋の中の泥と枯葉を撤去する
このケースは、部材が壊れているわけではありません。そのため軒樋の中の泥や枯葉を撤去し、開口部の通りを回復させることをご提案しました。
現場からのひとこと
自在ドレンのお宅は、年に一度くらいは樋の中を見てあげるのがおすすめです。特に落葉が増える秋から冬にかけてが一つの目安になります。「詰まってから掃除する」より「詰まる前に掃除する」ほうが、樋自体も長持ちします。
原因② 2階の竪樋が1階の集水口まで届いていなかった
2階建ての雨水の流れ方
2階建てのお宅では、2階の屋根で受けた雨水を竪樋でいったん下ろし、1階の軒樋にある集水口へ流し込む納まりがよく見られます。2階の水を1階の樋でまとめて受けて、地面まで下ろすという流れです。
実際の状態:竪樋の長さが足りず、手前で水が落ちていた
2か所目は、この2階からの竪樋が1階の集水口まで届いていませんでした。本来は集水口の中へ差し込まれていなければならないのですが、竪樋が途中で終わっていたため、2階分の雨水が集水口の手前でこぼれ、1階の屋根や軒樋のふちに直接落ちていたのです。
2階の屋根の面積分の雨がまとめて一点に落ちてくるわけですから、雨量が多い日は相当な勢いになります。水が跳ねて軒樋の外にこぼれたり、1階屋根の同じ場所にばかり水が当たり続けたりと、あふれの原因としては見過ごせない状態でした。
こうした不具合は、新築時や過去の改修時の納まりの問題、あるいは強風などで竪樋がずれた・抜けたといった理由で起こることがあります。晴れた日には気付きにくく、雨の日に外から見てはじめて分かることが多いのも特徴です。

ご提案:竪樋を継ぎ足して集水口へ確実に届かせる
こちらは竪樋を少し継ぎ足して、1階の集水口まできちんと届くようにすることをご提案しました。大がかりな工事ではありませんが、水の出口をあるべき場所に戻すだけで、流れ方は大きく変わります。
現場からのひとこと
雨樋の不具合は「全部交換しないとダメ」とは限りません。今回のように、掃除で済むところは掃除、足りない部分だけ補うところは補う。原因を見極めれば、必要な工事は最小限にできます。
雨樋から水があふれる主な原因
今回の2つ以外にも、雨樋があふれる原因はいくつかあります。代表的なものを整理しておきます。
| 原因 | どんな状態か | 主な対処 |
|---|---|---|
| 詰まり | 泥・砂・枯葉、鳥の巣などが軒樋や集水器、ドレンをふさいでいる | 清掃・撤去 |
| 勾配の不良 | 軒樋の傾きがほぼ水平、または逆向きになり、水が集水器へ流れない | 吊り金具の調整 |
| 竪樋の外れ・長さ不足 | 竪樋が抜けている、ずれている、届くべき位置まで届いていない | 継ぎ足し・再固定 |
| 樋の変形・破損 | 経年劣化や台風、積もった重みで樋がたわむ・割れる | 部分交換・掛け替え |
| 排水能力の不足 | 屋根の面積に対して樋のサイズや竪樋の本数が足りていない | 樋の大型化・竪樋の増設 |
雨樋は屋根の雨水を集めて地面まで流すための設備で、屋根の先端に沿った「軒樋」、壁に沿って縦に下ろす「竪樋」、その二つをつなぐ「集水器」などで構成されています。どこか一か所でも流れが止まれば、そこから上流すべてに水が溜まってあふれるという仕組みです。
また、雨樋は一年中、雨風や紫外線、気温差にさらされるため、年数が経てば素材そのものも少しずつ弱っていきます。村山瓦でも、樋の曲がり部分が年月とともに弱り、別の工事の最中に見つけて修繕することがよくあります。
高知は全国的に見ても雨量が多く、台風の通り道にもなりやすい地域です。短時間に強い雨が降ると、普段は問題なく流れている樋でも、少しの詰まりや勾配の狂いが一気にあふれとして表に出てきます。「今までは大丈夫だったのに」という場合も、実は余裕がなくなっていたというサインかもしれません。
あふれたまま放置するとどうなる?
「水がこぼれるだけだから」と様子を見る方も多いのですが、屋根屋の立場からは、次のようなトラブルにつながる可能性があるとお伝えしています。
外壁の汚れ・劣化
あふれた雨水が同じ場所を伝い続けると、外壁に黒い筋状の汚れやコケが付きやすくなります。塗装の劣化を早め、ひび割れがあればそこから水がしみ込むこともあります。
瓦の重なりへの浸水・雨漏り
大雨のときに軒樋の水位が上がり、瓦の重なり部分まで水が逆流するようなケースでは、屋根の内部に雨水が入り込むおそれがあります。今回の原因②のように、2階の水が1階の屋根の一点に落ち続ける状態も、その部分の屋根材や下地に負担が集中します。
基礎まわり・ご近所への影響
軒先から落ちた水が地面をえぐり、家の基礎まわりに水が溜まりやすくなることもあります。敷地が隣家と近い場合は、跳ねた水がご近所の敷地へ飛んでしまうこともあり、気になる方も多い部分です。
ご自身でできる地上からのチェック方法
雨の日に、次のような様子がないか地上から確認してみてください。
- 軒樋のふちから水がこぼれている、または滝のように落ちている
- 竪樋の途中や継ぎ目から水が噴き出している
- 竪樋の下の出口から、雨量のわりに水があまり出てこない
- 2階からの竪樋の先端が、1階の樋や集水口に入っていない
- 軒樋から草が生えている、枯葉がはみ出して見える
- 軒樋が波打っている、一部だけ下がって見える
- 外壁の同じ場所に、縦筋の汚れやコケが出ている
※はしごや屋根に上がっての確認・掃除は転落の危険があります。特に2階の樋は必ず地上から見える範囲の確認にとどめ、気になる点があれば専門業者にご相談ください。
よくあるご質問
- 雨樋の掃除は、どれくらいの頻度で必要ですか?
- 周りの環境によって差はありますが、年に1回程度の点検をおすすめしています。近くに木があるお宅や、自在ドレンのように開口部が小さい部材を使っているお宅は、詰まりやすいので特に気にかけてあげてください。
- あふれているのは詰まりなのか、ほかの原因なのか、見分けられますか?
- 地上からでは判断が難しいことが多いです。今回のように、同じお宅の中でも「詰まり」と「竪樋の長さ不足」という別々の原因が重なっていることもあります。実際に屋根に上がり、水の入口から出口まで追いかけて確認するのが確実です。
- 雨樋を全部交換しないといけませんか?
- 原因によります。詰まりであれば掃除、竪樋の不足であれば継ぎ足しなど、部分的な対応で改善できるケースも多くあります。樋自体の劣化や破損が進んでいる場合は、部分交換や掛け替えをご提案することもあります。
- 雨樋の掃除だけでも依頼できますか?
- はい、承っております。村山瓦では雨樋掃除を1mあたり2,200円(税込)〜で行っております。樋の状態によって作業内容が変わりますので、まずは現地を確認したうえでお見積もりいたします。
まとめ
今回の高知市春野町の現場では、「雨のたびに樋から水があふれる」原因が2か所ありました。
1か所目は、見た目がすっきりする自在ドレンの開口部が泥と枯葉で詰まっていたこと。2か所目は、2階からの竪樋が1階の集水口まで届いておらず、手前で水がこぼれていたこと。それぞれ、樋の中の清掃と竪樋の継ぎ足しという、原因に合わせた最小限の工事をご提案しました。
雨樋のあふれは、放っておくと外壁や屋根、基礎まわりにまで影響が広がることがあります。「最近あふれるようになった」「樋から草が生えている」など気になることがあれば、早めの点検をおすすめします。
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