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大雨の後こそ屋根点検を|天井のシミ・雨樋の漏れ・棟瓦のズレ 3つのチェックポイントを高知の瓦職人が解説

  • 屋根リフォームの基礎知識

大雨の後こそ屋根点検を|天井のシミ・雨樋の漏れ・棟瓦のズレ 3つのチェックポイントを高知の瓦職人が解説

激しい雨が過ぎ去って、ほっと一息。けれど、屋根のトラブルが本当に表に出てくるのは「雨がやんだ後」であることが少なくありません。

天井にうっすら浮かんだシミ、雨樋からあふれていた水、なんとなく波打って見える屋根のてっぺん――。こうした小さな変化は、屋根が「助けて」と出しているサインです。

この記事では、高知で70年以上、10,000件を超える屋根工事に携わってきた村山瓦が、大雨の後にご自身で確認できる3つのチェックポイントと、その裏側で屋根に何が起きているのかを、職人の目線でわかりやすくお伝えします。

なぜ「大雨の後」に屋根点検が必要なのか

屋根は毎日、私たちの暮らしを雨風から守ってくれています。ふだんの雨なら難なく受け流せる屋根でも、短時間に大量の雨が降る大雨や、強い風をともなう台風のときには、想定以上の負担がかかります。

特に高知は全国でも有数の多雨地域。梅雨の長雨、夏から秋の台風、そして近年増えている局地的な豪雨と、屋根にとっては一年を通して試練の多い土地柄です。

大雨が屋根に与える3つのダメージ

  • 水量のダメージ:一度に流れる雨水の量が増え、瓦の重なり部分や板金のすき間から水が入り込みやすくなります。
  • 風のダメージ:雨と一緒に吹く強風が瓦を持ち上げたり、飛来物が瓦にぶつかって割れを生じさせたりします。
  • 排水のダメージ:雨樋が処理しきれない量の水が流れ込み、詰まりやあふれ、継ぎ目の外れを引き起こします。

やっかいなのは、これらのダメージがその場ですぐ雨漏りとして現れるとは限らないことです。屋根の内側にじわじわと水がしみ込み、数日から数週間たってから天井にシミとして現れるケースも珍しくありません。だからこそ、大雨が過ぎた「今」が点検のベストタイミングなのです。

職人の豆知識

瓦屋根は「瓦」と、その下に敷かれた「防水シート(ルーフィング)」の二重構造で雨を防いでいます。瓦のすき間から多少の雨水が入っても、防水シートが受け止めて軒先へ流すしくみです。つまり天井にシミが出ているということは、瓦と防水シートの両方の守りが突破されている可能性があるということ。決して軽く見てはいけないサインなのです。

点検の前に|屋根には絶対に登らないでください

雨上がりの屋根は大変すべりやすく、プロの職人でも細心の注意を払う場所です。瓦の上を歩くと、割れていなかった瓦まで割ってしまうこともあります。

ご自身で行う点検は、次の3つの方法で十分です。

  • 室内から:天井・壁・押し入れ・小屋裏(点検口がある場合)を目で見て確認
  • 地上から:家の周りをぐるりと歩き、離れた場所から屋根全体を見上げる(双眼鏡があると便利です)
  • 窓やベランダから:2階の窓などから、安全に見える範囲の屋根や雨樋をのぞく

スマートフォンのカメラでズームして撮影しておくと、後で業者に相談するときにも状況が伝わりやすくなります。

チェック1:天井のシミ(瓦の割れが原因のことが多い)

大雨の後、まず確認していただきたいのが天井や壁のシミです。雨漏りの中でも、もっともわかりやすいサインといえます。

こんなシミは要注意

  • 以前はなかった茶色や黄色っぽい輪じみが出てきた
  • 以前からあったシミが、ひとまわり大きくなっている
  • 天井のクロスが浮いている、たわんでいる
  • 押し入れや部屋の隅が、なんとなくカビ臭い
  • 2階の天井の角や、壁と天井の境目が湿っぽい

天井のシミの原因で多いのは「瓦の割れ」

天井にシミが出たとき、屋根を確認してみると瓦が割れていたというケースは本当に多くあります。瓦は焼き物ですので、適切に施工されていれば非常に長持ちする屋根材ですが、次のような理由で割れが生じることがあります。

  • 強風で飛んできた枝や看板などの飛来物がぶつかった
  • 台風の強風で瓦があおられ、隣の瓦とぶつかった
  • 地震や経年の揺れで瓦が少しずつズレ、無理な力がかかった
  • アンテナ工事などで人が屋根に上がり、踏み割ってしまった

割れた瓦のすき間から入った雨水は、まず防水シートが受け止めます。しかし防水シートも年数がたてば劣化します。長年の雨水の侵入で傷んだ防水シートを、大雨の大量の水が突破したとき、天井にシミとなって現れるのです。

プロの視点

雨漏りの原因は、シミの真上にあるとは限りません。屋根に入った雨水は、防水シートの上や垂木(たるき)を伝って低い方へ流れ、まったく別の場所から室内に落ちてくることがあります。また、原因が1か所ではなく、瓦の割れと板金の劣化など複数の要因が重なっていることも珍しくありません。シミの位置だけで判断して部分的に補修すると、別の原因を見落としてしまうことがあるため、屋根全体を見られる専門家の診断が大切です。

シミを見つけたらやっておきたいこと

  1. 写真を撮る:日付がわかるように撮影し、数日後にもう一度撮って広がり具合を比べます。
  2. 水が落ちてくる場合は受ける:バケツの中に雑巾を入れておくと、水はねを防げます。床にはビニールシートや新聞紙を。
  3. 電気まわりに注意:照明器具の近くから水が出ている場合は、その部屋のブレーカーを落とすなど感電・漏電に気をつけてください。
  4. 早めに専門業者へ相談:シミが乾いても、屋根の傷みは直っていません。

チェック2:雨樋からの雨水の漏れ(詰まり・継手部分からの漏水)

屋根に降った雨を集めて、地面や排水桝へ流すのが雨樋(あまどい)の役割です。目立たない存在ですが、雨樋がうまく働かないと、外壁や基礎、さらには室内にまで影響が及ぶことがあります。

大雨の最中や直後に、ぜひ家の周りを見てみてください。次のような症状があれば、雨樋が本来の役目を果たせていないサインです。

雨樋のトラブル症状

症状 考えられる原因
軒樋(横の樋)のふちから滝のように水があふれる 落ち葉・土砂・鳥の巣などによる詰まり、勾配(傾き)の狂い
樋のつなぎ目からポタポタ・ジャージャーと水が漏れる 継手部分の接着剤の劣化、継手の外れ・割れ
縦樋(たて樋)の途中から水が噴き出す 縦樋内部の詰まり、エルボ(曲がり部分)の詰まり
樋が波打っている、垂れ下がっている 支持金具(受け金具)の外れ・曲がり、雨水の重み
外壁に雨だれの筋やコケが目立つ 日常的なオーバーフローで外壁に水がかかり続けている

「詰まり」は大雨のたびに悪化する

雨樋の詰まりの原因は、落ち葉や砂ぼこり、屋根から流れてくる土、ときには鳥の巣など様々です。少しずつたまったゴミが、大雨で一気に流れ込んで集水器(軒樋と縦樋のつなぎ目)をふさいでしまうと、行き場をなくした雨水が軒樋からあふれ出します。

あふれた水が外壁を伝い続けると、外壁材のすき間から内部に水がしみ込んだり、基礎まわりの地面がえぐれたりする原因にもなります。さらに、樋にたまった水の重みで支持金具が曲がり、雨樋そのものの変形・脱落につながることもあります。

見落としがちな「継手部分」からの漏水

雨樋は、何本もの樋を継手(つぎて)という部品でつないで構成されています。この継手は専用の接着剤で固定されていますが、紫外線や寒暖差によって年々劣化し、すき間ができたり、外れたりします。

ふだんの雨では気づかない程度の小さなすき間でも、大雨で一気に水量が増えると、継手からまとまった水が漏れ出します。「大雨のときだけ、いつも同じ場所から水が落ちてくる」という場合は、継手の劣化を疑ってみてください。

プロの視点

雨樋の不具合は「雨樋だけの問題」で終わらないことがあります。たとえば軒先の瓦がズレていて、雨水が雨樋の外側に落ちてしまっている、というように屋根と雨樋はセットで考える必要があります。屋根工事の専門店であれば、雨樋の修理と合わせて軒先の瓦の状態まで一度に確認できるのがメリットです。

2階の雨樋の掃除や修理は、はしごを使った高所作業になります。雨上がりは足元がすべりやすく転落事故の危険が高いため、無理にご自身で作業しようとせず、専門業者へご相談ください。

チェック3:棟瓦のズレ・外れ

屋根のいちばん高いところ、山のてっぺん部分を「棟(むね)」といい、そこに積まれている瓦を「棟瓦(むねがわら)」と呼びます。棟は屋根の面と面が合わさる部分で、雨仕舞い(あまじまい=雨水の侵入を防ぐ工夫)の要となる大切な場所です。

同時に棟は、屋根の中でもっとも風当たりが強く、地震の揺れの影響も受けやすい場所でもあります。そのため大雨や台風の後には、ぜひ地上から棟瓦の様子を確認してください。

地上から確認できる棟瓦の異常

  • 棟のラインがまっすぐではなく、波打ったり、曲がったりして見える
  • 棟瓦の一部がずり落ちている、なくなっている
  • 棟の側面の白い漆喰(しっくい)がはがれ、中の土が見えている
  • 家の周りや庭に、瓦のかけらや土、漆喰の破片が落ちている
  • 雨樋の中に土が流れ込んでいる

なぜ棟瓦はズレるのか|昔ながらの工法の弱点

昔ながらの瓦屋根では、棟瓦は内部に詰めた「土」の粘りによって固定されていました。土は長い年月をかけて雨風にさらされるうちに、少しずつ粘りを失い、やせていきます。表面を覆う漆喰がはがれると、そこから雨水が入り、さらに土が流れ出してしまいます。

こうして土台が弱った棟瓦は、大雨や強風をきっかけにズレたり、崩れたりしやすくなります。そして棟のすき間から入った雨水が、屋根の内部へとしみ込み、雨漏りの原因となるのです。

プロの視点|ガイドライン工法とは

村山瓦では、棟の修理や葺き替えの際に、全日本瓦工事業連盟が推奨する「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」(通称:ガイドライン工法)に沿った施工を行っています。

これは、従来は土だけで固定していた棟瓦を、補強金物と棟芯材でしっかり緊結し、冠瓦をパッキン付きのステンレスネジで留める工法です。科学的な実験にもとづいて定められた工法で、地震の揺れや台風の強風に対する強さが、従来の工法に比べて大きく向上しています。

棟瓦がズレてしまった屋根は、単に元に戻すだけでなく、「次の大雨・台風に負けない棟」に積み直すことが、長い目で見て住まいを守ることにつながります。

棟瓦のズレは、放っておくと周りの瓦まで巻き込んで被害が広がり、台風の際には瓦が落下して通行人やご近所に危険を及ぼすおそれもあります。「少しズレているだけ」と思わず、早めの点検をおすすめします。

大雨後のセルフチェックリスト

ここまでの内容を、すぐに使えるチェックリストにまとめました。ひとつでも当てはまれば、専門家による点検をご検討ください。

確認場所 チェック項目 考えられる不具合
室内(天井・壁) 新しいシミ、シミの拡大、クロスの浮き 瓦の割れ・ズレ、防水シートの劣化
室内(押し入れ・小屋裏) カビ臭さ、木材の湿りや黒ずみ 小屋裏への雨水侵入
屋根(地上から) 瓦の割れ・欠け・ズレ、浮いている瓦 飛来物・強風による破損
屋根の棟(地上から) 棟のゆがみ、漆喰のはがれ、瓦の脱落 棟の土の劣化、固定力の低下
雨樋 あふれ、つなぎ目からの漏れ、たわみ 詰まり、継手の劣化、金具の外れ
家の周り 瓦・漆喰のかけら、土の落下 屋根材の破損・脱落
外壁 雨だれの筋、部分的なコケ 雨樋からのオーバーフロー

ポイント:「今は雨漏りしていないから大丈夫」ではなく、「雨漏りする前に見つける」ことが、修理の負担をいちばん小さくする方法です。早い段階であれば、瓦1枚の差し替えや部分的な補修で済むことも多く、結果的に費用も工期も抑えられます。

やってはいけない応急処置

雨漏りや屋根の不具合を見つけると、「とりあえず自分で何とかしたい」と思われるのは自然なことです。ただし、良かれと思った処置が、かえって被害を広げてしまうことがあります。

NG1:原因がわからないまま、すき間をふさぐ

市販のコーキング材などで瓦のすき間を埋めてしまうと、本来は瓦の下から抜けていくはずの雨水の出口までふさがれ、屋根の内部に水がたまってしまうことがあります。瓦屋根は「水を入れない」だけでなく「入った水を逃がす」ことで雨を防いでいる、という点がとても大切です。

NG2:室内側からふさぐ

天井の水が落ちてくる穴を内側からふさいでも、雨水の侵入そのものは止まりません。行き場を失った水が天井裏や壁の中に広がり、木材の腐れやカビの原因になります。

NG3:屋根に登ってブルーシートをかける

ブルーシートによる養生は有効な応急処置ですが、雨上がりの屋根での作業は転落の危険が非常に高く、慣れない方が行うのは大変危険です。応急処置も含めて、専門業者にお任せください。

よくあるご質問

大雨の後、雨漏りしていなくても点検は必要ですか?
はい、おすすめします。瓦の割れや棟のズレがあっても、防水シートが雨水を受け止めている間は室内に症状が出ません。雨漏りとして表に出たときには、内部の傷みが進んでいることもあるため、大雨や台風の後は一度点検されると安心です。
天井のシミが乾いて消えかけています。様子見でも大丈夫ですか?
シミが乾いても、雨水が入った原因は残ったままです。次の大雨で再び漏れるだけでなく、天井裏の木材が湿ったり乾いたりを繰り返すことで、腐れやカビが進むおそれがあります。早めの点検をおすすめします。
雨樋の修理だけでもお願いできますか?
もちろんです。詰まりの解消、継手の補修、部分交換など、雨樋だけのご相談も承っています。あわせて軒先の瓦の状態も確認いたしますので、お気軽にご相談ください。
台風や大雨による屋根の被害に、火災保険は使えますか?
ご加入の保険の内容によっては、風災などによる屋根の被害が補償の対象となる場合があります。ただし経年劣化による傷みは対象外となるのが一般的です。被害の状況を写真で記録しておくことが大切ですので、詳しくはお問い合わせの際にご相談ください。
点検や見積もりに費用はかかりますか?
ご相談・お見積もりは無料です。点検の結果をもとに、本当に今修理が必要なのか、どこまでの工事が適切なのかを、写真を交えてわかりやすくご説明いたします。

大雨後の屋根の不安は、高知の村山瓦へ

屋根は、ふだん目にすることが少ないからこそ、トラブルに気づきにくい場所です。そして、雨漏りしてから慌てて修理するよりも、早めに手を打つことで、少ないメンテナンスで大切な住まいを長く守ることができます。

村山瓦は、高知で創業以来70年以上、屋根一筋で地域の住まいを守ってきた屋根工事の専門店です。国家資格「かわらぶき技能士」に加え、その上位資格であり瓦屋根工事の資格の中でも取得難易度が高い「瓦屋根診断技士」を持つ職人が、診断から施工まで責任をもって担当します。営業と施工を分けず、自社の職人が直接お伺いするので、お客様のご要望がそのまま現場に届きます。

「本当に修理が必要なのか知りたい」「大雨のあと、なんとなく屋根が心配」――そんな小さなご相談でもかまいません。何でも「できます」とお伝えするのではなく、プロとして本当に必要な工事だけをご提案いたします。

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