のし瓦と桟瓦の接触・勝手瓦の縁切り不良が招く雨漏り
- 代表村山の現場ブログ
南国市の雨漏り修理現場から|のし瓦と桟瓦の接触・勝手瓦の縁切り不良が招く雨漏りの実例と直し方
高知市を拠点に創業70年以上、瓦屋根一筋で10,000件以上の現場を見てきた村山瓦です。 今回は先日、南国市で実際に対応した雨漏り修繕の様子をもとに、 「のし瓦と桟瓦の接触」「勝手瓦の縁切り不良」という、現場でよく出会う雨漏りの原因と直し方をご紹介します。 築年数の経った瓦屋根にお住まいの方にとって、ご自宅の屋根を見直すきっかけになれば幸いです。
南国市での雨漏り現場|最初の違和感は「のし瓦の接触」
先日、南国市のお客様より「天井にシミが出てきた」とご相談をいただき、雨漏り修繕のため現場に伺いました。 屋根に上がってまず目を付けたのは、隅棟(すみむね)を構成する「のし瓦」と、屋根の斜面に並ぶ「桟瓦(さんがわら)」の取り合い部分です。 経年で瓦や棟がわずかに動くと、本来離れているはずののし瓦の角が桟瓦の山に接触してしまうことがあります。 一見小さな接触ですが、瓦屋根にとってはここが雨水の通り道になってしまうことが少なくありません。
今回の現場でも、のし瓦が桟瓦にぴったりと当たっている状態でした。 そこでのし瓦の当たっている部分を少し削って隙間を作り、実際にホースで散水試験を行ったところ、 屋根裏から水が滴る音が聞こえ、野地板(屋根の下地板)も一部湿っていることが確認できました。 「見た目には分からないところで、水が回っていた」という、瓦屋根の雨漏りにありがちなパターンです。

原因2:勝手瓦の「縁切り」が甘く、雨水が中心部へ回り込んでいた
のし瓦の接触を直しても、まだ何か引っかかるものがありました。次に疑ったのが、棟の中心部分に使われる「勝手瓦(かってがわら)」です。 本来であれば棟全体を解体して土台から作り直すのが確実ですが、今回はお客様のご予算の都合もあり、棟を壊さない部分補修での対応となりました。
そこで棟の表面を覆っている南蛮漆喰を少しずつ丁寧にはがし、勝手瓦を取り外してみると、案の定、瓦同士の重なり部分の「縁切り」が甘い状態になっていました。 縁切りが不十分だと、瓦の重なり目から入り込んだ雨水が下の瓦に流れきらず、棟の中心部にまで回り込んでしまいます。 これでは、のし瓦側を直しても雨漏りが止まらないのも当然でした。
現地で勝手瓦の縁切り工事をやり直し、再度散水試験を実施。今度は雨水の侵入が見られず、無事に修繕完了となりました。 一つの原因だけを直して終わりにせず、疑わしい箇所をひとつずつ潰していく。これが長年現場に出ている職人としての基本の動き方です。
下の瓦に速やかに排水するように勝手瓦の縁切り作業

南蛮漆喰で隙間をふさいで完成

そもそも「縁切り」とは?瓦屋根の雨仕舞いの基本
瓦屋根は、瓦を一枚ずつ下から上へ重ねながら葺いていく構造上、重なり部分には必ずわずかな隙間が生まれます。 この隙間から入り込んだ雨水を、屋根の内部にとどめずスムーズに下へ流すための逃げ道を作ることを「縁切り」と呼びます。 屋根は一見隙間なく仕上がっているように見えても、実は「水を入れない」のではなく「入った水を素早く外へ逃がす」ことで雨漏りしないという考え方が基本になっています。
この縁切りが甘い、あるいは施工時に見落とされていると、雨水が屋根内部の一点に溜まりやすくなり、 野地板や垂木といった木部を腐食させる原因になります。今回のように、表面上は問題がなさそうに見える棟でも、 内部の縁切り不良が長年の雨漏りの元凶になっているケースは決して珍しくありません。
棟を壊さず直す部分補修という選択肢
棟の積み直しは瓦屋根の雨漏り対策として最も根本的な方法ですが、足場や解体・積み直しの手間がかかるため、費用面でのハードルもあります。 そこで今回のように、劣化や不具合が出ている部分だけをピンポイントで補修する際に活躍するのが「南蛮漆喰」です。
南蛮漆喰は、消石灰を主原料とした従来の漆喰に防水材やシリコンなどを加えて改良した建材で、 通常の漆喰よりも防水性・接着性に優れているのが特徴です。棟の外側の仕上げだけでなく、内部に詰めて葺き土の代わりとして使うこともでき、 瓦をしっかり固定しながら雨水の侵入経路を塞ぐ役割を果たします。
大事なのは、予算や屋根の状態に応じて「棟を積み直すべきか」「部分補修で対応できるか」を、 現地でしっかり調査したうえで判断することです。安易に部分補修で済ませてしまうと再発するケースもあれば、 逆に必要以上に大掛かりな工事を勧められてしまうケースもあります。私たちは資格を持った職人が現地で状態を確認し、 その屋根に合った現実的な工事方法をご提案するようにしています。
ご自宅でできる雨漏りチェックのポイント
屋根に上がっての点検は大変危険ですので絶対におすすめしませんが、地上や2階の窓からでも確認できるポイントがあります。 当てはまる項目がある場合は、雨漏りが進行する前の早めの点検をおすすめします。
- 棟の瓦がところどころ波打っている、ズレているように見える
- 棟の漆喰が白っぽく劣化している、黒ずんでいる、欠けている
- 棟の上や瓦の隙間から雑草やコケが生えている
- 強風や台風のあとに屋根の見た目が変わった気がする
- 天井や壁紙にシミができている、雨の日にポタポタと音がする
特に「棟の雑草」は、瓦の隙間や漆喰の割れから雨水が入り込み、内部が常に湿った状態になっているサインでもあります。 一時的に草を抜いても、内部の状態が改善されなければ再発を繰り返すことが多いため、根本的な原因を確認することが大切です。
これは赤土で積み上げた棟の場合が圧倒的に多い事例です。
まとめ|「たぶん大丈夫」を放置しないことが一番の対策です
今回の南国市の現場のように、雨漏りの原因は一箇所とは限らず、のし瓦の接触と勝手瓦の縁切り不良のように、 複数の要因が重なっていることも珍しくありません。表面だけを見て判断せず、疑わしい箇所を一つずつ確認し、 散水試験でしっかり結果を確かめることが、再発させない修繕への近道です。
「うちの屋根も棟に草が生えている気がする」「雨の日に天井から音がする」など、少しでも気になる症状があれば、 被害が広がる前にご相談ください。高知市を中心に、南国市・香南市・香美市・土佐市など弊社事務所から車で30分~1時間圏内は無料で現地調査・点検にお伺いしています。




