塀の棟に使われた丸瓦が凍害でひび割れ
- 代表村山の現場ブログ
いの町で発見!塀の棟に使われた丸瓦が凍害でひび割れ―放置すると道路に落下する危険も【現場レポート】
高知市を拠点に屋根一筋で創業70年以上、これまで10,000件以上の現場に立ち会ってきた私たち村山瓦です。 先日、いの町のお客様より「塀の瓦が割れているみたいで気になる」というご相談をいただき、現地調査に伺いました。 今回は、実際に塀の棟(むね)で見つかった丸瓦の凍害についての現場での気づきと、そこから見えてくる瓦屋根全般のメンテナンスの考え方を、専門的な知識も交えてお伝えします。
現場レポート:いの町の塀で見つかった丸瓦の破損
ご連絡をくださったのは、いの町にお住まいのお客様でした。「敷地を囲っている塀の上に乗っている瓦が、いくつか割れているように見える」とのことで、まずはお電話でおおまかな状況をお伺いしたうえで、現地調査にお伺いしました。
現場に到着し、道路際からお塀を見上げると、たしかに棟の部分に乗っている丸瓦の一部が欠けているのが、地上からでもはっきりとわかる状態でした。近づいて確認すると、複数枚の丸瓦にひびが入り、表面が薄く剥がれるように割れている箇所も見つかりました。割れ方の特徴や発生している場所(塀の上、直射日光や雨の影響を受けやすい面)を確認していくと、これは経年劣化というよりも「凍害(とうがい)」による損傷だと判断できました。
お客様が一番気にされていたのは、見た目の問題以上に「このまま割れたかけらが道路に落ちてしまうのではないか」という点でした。実際、塀は歩道に面しており、通行する方や近隣のお子さんが下を歩くこともある場所です。瓦の破片は思っている以上に鋭利で重量もあるため、この心配はまったく大げさなものではありません。現場を見て、私たちも「これは早めに手を打った方がいい」と感じた案件でした。
調査の結果、割れているのは棟の丸瓦数枚に限られており、下地や塀本体には大きな崩れは見られなかったため、該当する丸瓦のみを新しいものに交換する「差し替え工事」をご提案しました。

そもそも「丸瓦」とは?塀の棟で果たす役割
丸瓦とは、その名の通り断面が半円形をした瓦のことで、屋根の棟や、今回のような塀の部分に使われることが多い部材です。平らな瓦と瓦の継ぎ目や、塀の一番高い場所にかぶせるように設置することで、雨水がまっすぐ内部に入り込むのを防ぎ、塀本体を雨風から守るという重要な役割を担っています。
普段の生活の中では、屋根の上と同じように塀の上もあまり意識して見上げる機会はないかと思います。しかし丸瓦は常に外気にさらされ、雨・風・直射日光・夜間の冷え込みといった環境の変化を一番受けやすい場所にあるため、実は屋根本体以上に劣化のサインが出やすい部材でもあります。
なぜ瓦は割れるのか?「凍害(凍み割れ)」のメカニズム
今回のように、寒い時期になると瓦の表面が薄く剥がれたり、ひび割れたりする現象を「凍害」または「凍み割れ(いてわれ)」と呼びます。屋根専門店として、現場感覚だけでなく仕組みも合わせてお伝えします。
粘土を焼いて作られる瓦は、見た目以上にわずかな吸水性を持っています。日中の雨や夜露で瓦の内部にしみ込んだ水分が、冷え込みの厳しい夜間に凍結すると、水は氷になる際に体積が膨張する性質があるため、瓦の内部からじわじわと押し広げる力がかかります。この「凍る→溶ける」を繰り返すことで、瓦の組織が少しずつ壊れていき、最終的に表面が剥離したり、ひび割れたりしてしまうのです。水道管が寒い時期に破裂することがあるのと、原理としては近いものだとイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
高知県は温暖なイメージが強い地域ですが、朝晩の冷え込みや山間部との寒暖差、そして塀や屋根のように日中と夜間の温度変化を直接受ける場所では、凍害のリスクがまったくのゼロというわけではありません。実際に今回のいの町の現場でも、日当たりや風の通り道といった立地条件が影響していたと考えられます。
また、瓦の種類によって吸水率には差があり、吸水率の低い瓦ほど凍害への耐性が高いとされています。今回のような差し替え交換の際には、既存の瓦との意匠性のバランスを見ながら、できるだけ耐久性のある瓦材を選ぶこともご提案の一つとしています。
割れた丸瓦を放置するとどうなるか
「数枚欠けているだけだから」と様子を見てしまいがちですが、凍害による割れは放置すればするほど進行しやすい劣化です。現場で実際に見てきた経験から、主なリスクを整理します。
- 破片の落下による事故のリスク:今回のお客様が心配されていた通り、割れた部分がさらに小さく崩れ、通行人や車両に落下する危険があります。特に道路に面した塀では、管理者としての責任が問われる可能性もあります。
- 雨水の侵入による内部劣化:丸瓦が割れた部分から雨水が浸み込みやすくなり、塀の内部にある葺き土や下地材が傷み、棟自体の崩れにつながることがあります。
- 劣化の連鎖:一度水が浸入する経路ができると、そこを起点にコケや雑草が生えたり、凍害がさらに広範囲へと広がったりすることも珍しくありません。
屋根本体の雨漏りと違い、塀の破損は「生活にすぐ支障が出るわけではない」ため、つい後回しにされがちな箇所です。しかし、通行人が関わる場所だからこそ、早めの対応が安心につながります。
現場での判断:差し替え交換をご提案した理由
今回の現場では、割れが数枚の丸瓦に限定されており、塀の躯体や葺き土全体には深刻な劣化が見られなかったため、該当箇所のみを新しい丸瓦に交換する「差し替え工事」をご提案しました。
一方で、これが棟全体に及ぶ広範囲の劣化であったり、葺き土そのものが傷んでボロボロになっているようなケースでは、丸瓦だけを交換しても数年でまた同じ症状が出てしまうことがあります。その場合は、棟を一度解体し、内部から作り直す「積み直し工事」をおすすめすることもあります。
どちらの工法が適しているかは、実際に近くで状態を確認しないと正確な判断が難しい部分です。今回のように「数枚の破損にとどまっているか」「内部の葺き土まで傷んでいないか」を見極めることが、無駄な費用をかけずに適切な工事内容をご提案するうえで欠かせないポイントだと、現場に出るたびに実感しています。
ご自宅でもできる、地上からのセルフチェック方法
屋根や塀の上に自分で上がって確認するのは大変危険ですので絶対におやめください。ただし、地上から見える範囲でも、劣化のサインに気づけることがあります。次のような点に当てはまる場合は、一度専門業者に点検を依頼することをおすすめします。
- 塀や屋根の棟の瓦の表面が、白っぽく粉をふいたように見える
- 瓦の一部が欠けている、または表面が薄く剥がれている
- 冬場から春先にかけて、瓦の破片のようなものが地面に落ちていたことがある
- 棟のラインが波打って見える、または一部が浮いているように見える
特に冬の寒波のあとや、急な気温差があった時期は、凍害による破損が見つかりやすいタイミングです。気になる変化があれば、早めのご相談が安心です。
凍害を繰り返さないための対策
一度凍害が起きた場所は、条件が変わらない限り再発しやすい傾向があります。再発を防ぐ、あるいはリスクを下げるためには、次のような対策が考えられます。
- 吸水率の低い瓦材への交換:交換の際に、より吸水率が低く凍害に強い瓦材を選ぶことで、同じ症状の再発リスクを抑えられます。
- 防水性を高める施工:棟部分の漆喰や葺き土の状態を整え、水分が内部に入り込みにくい状態を保つことも、凍害対策の基本になります。
- 定期的な点検:年に一度、季節の変わり目などに目視点検を行うことで、小さな劣化のうちに気づき、被害を最小限に抑えることができます。
「割れてから直す」のではなく、「割れる前に気づく」ことが、結果的に工事費用も抑えられる一番の近道だと、現場で数多くの屋根・塀を見てきた立場から強く感じています。
まとめ
今回のいの町の現場のように、塀の棟に使われている丸瓦の破損は、屋根本体の劣化と同じく「凍害」が原因となっているケースが少なくありません。見た目の変化だけでなく、破片の落下による事故リスクや、内部への雨水侵入による劣化の進行にもつながるため、気づいた時点での早めの点検・対応が安心につながります。
ご自宅の塀や屋根の瓦に「割れているかも」「なんだか様子がおかしい」と感じる部分がありましたら、無理に近づいたり屋根に上がったりせず、まずは専門業者にご相談ください。
無料点検・お問い合わせのご案内
村山瓦では、高知市を中心に事務所から車で30分〜1時間圏内のエリアで、屋根・塀の瓦の無料点検を行っております(圏外の方もお気軽にご相談ください)。 「塀の瓦が割れている気がする」「屋根の様子を見てほしい」など、気になる点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
📞 088-882-2339(電話受付:8:00〜17:00 定休日:日曜日)




