瓦同士の接触
- 代表村山の現場ブログ
土佐市で天井の雨漏り跡を発見|原因は「棟瓦と桟瓦のわずかな接触」でした
こんにちは、村山瓦の現場担当です。高知県内の屋根を見て回る毎日ですが、今回は土佐市の一軒家で伺った現場のお話をさせてください。 「天井にシミのようなものがあるので、一度見てもらえますか」というご相談から始まった調査でしたが、屋根に上がってみると、原因は目に見えづらい"棟のすき間"に隠れていました。専門的な話も交えながら、できるだけ分かりやすくお伝えします。
現場レポート:土佐市での雨漏り調査
先日、土佐市にお住まいのお客様から「天井に雨漏りしたような跡があるので見てほしい」とご連絡をいただきました。築年数はそれなりに経っている一軒家で、これまで大きなトラブルはなかったとのことでしたが、天井の一部にじわっと広がるようなシミが出てきたとのことでした。
雨漏りのご相談で私たちが必ず意識しているのは、「シミが出ている場所=雨水が入っている場所」とは限らないということです。天井裏を水は思いのほか横に流れます。ですので、シミの真上だけを見て判断せず、屋根全体、特に棟(むね)まわりを含めて確認するのが基本の動き方になります。
天井のシミから始まった今回のご相談
お客様のお宅に伺い、まずは室内で天井のシミの位置と広がり方、色の濃さを確認しました。色がやや黒っぽく、輪ジミのように広がっていたことから、一度きりの雨漏りではなく、雨が降るたびに少しずつ水が入り込んでいる可能性が高いと判断しました。この段階で「屋根内部にすでに水の通り道ができている」ことを想定しながら屋根に上がります。
屋根に上がって分かったこと
屋根面自体の瓦は大きなズレや割れもなく、パッと見た印象では「特に問題なさそうな屋根」でした。実際、こうしたケースは現場では珍しくありません。瓦そのものは健全でも、瓦と瓦の"取り合い部分"、つまり接続点にトラブルが隠れていることが多いのです。
今回、天井のシミの真上に近いあたりの棟を重点的に確認したところ、棟瓦の際(きわ)の納まりに違和感がありました。棟瓦と、その下の屋根面を構成する桟瓦(さんがわら)が、本来あるべき適度な間隔を保てておらず、一部で接触しかけている状態だったのです。

10年前の棟積み替え工事という手がかり
お客様に確認したところ、このお宅では約10年前に棟瓦の積替え工事を行った履歴があることが分かりました。これは大きな手がかりです。棟瓦の積替えは屋根のメンテナンスとして非常に有効な工事ですが、施工時の瓦の据え付け位置や角度によっては、年数の経過とともに棟瓦と桟瓦の間隔が想定より詰まってしまうことがあります。
今回はまさにこのケースで、棟瓦と桟瓦が接触しかけたことで、本来であれば瓦の表面を伝って軒先へ流れ落ちるはずの雨水の一部が、棟の中心部(内部)へと入り込みやすい状態になっていました。10年という年月は、瓦屋根にとって「一度点検しておきたい」節目の一つでもあります。
なぜ棟瓦と桟瓦が接触すると雨漏りするのか
ここが今回の一番のポイントです。瓦屋根は、瓦同士がぴったりくっついているように見えて、実は瓦と瓦の間にわずかなすき間や逃げ道を持たせることで、雨水をスムーズに下へ流す設計になっています。棟瓦と桟瓦の接点も同様で、適切な間隔があることで、雨水は棟の外側を伝って流れ落ちていきます。
ところが、この間隔が詰まりすぎて瓦同士が接触に近い状態になると、雨水の逃げ道がふさがれ、行き場を失った水が棟の中心部(内部の葺き土や下地材がある部分)へと流れ込みやすくなります。棟の内部は屋根面ほど防水性が高くない箇所もあるため、ここに水が侵入すると、天井裏まで水が到達し、今回のようなシミとして現れてしまうのです。
実は以前、別の現場で「塗装によって瓦同士がぴったりくっついてしまい、隙間がふさがったことで雨漏りしていた」というケースにも遭遇したことがあります。原因はそれぞれ違っても、「瓦同士が密着しすぎることで水の逃げ道がなくなる」という点は共通しており、瓦屋根のメンテナンスにおいて見落とされがちな盲点だと感じています。
【専門知識】棟瓦・桟瓦とは何か、構造からおさらい
ここで少し専門的な話を補足させてください。瓦屋根は大きく分けて、屋根の斜面全体を覆う「桟瓦」と、屋根の頂上部(山折りになっている部分)を覆う「棟瓦」で構成されています。
- 桟瓦:屋根の傾斜面に敷き並べる、いわゆる一般的な瓦のこと。1981年以降の新しい工法では、下地に打ち付けた桟木に引っかけて固定する「引掛け桟瓦葺き」が主流です。
- 棟瓦:屋根の頂上ラインを覆う瓦のことで、内部には葺き土や漆喰、南蛮漆喰などの下地材が使われ、雨水の侵入を防ぐ役割を担っています。
この棟瓦と桟瓦が接する「取り合い部分」は、屋根の中でも特に雨水が集まりやすいポイントです。屋根面を流れてきた雨水がすべてこのラインに集約されるため、少しの納まりの不具合が、大きな雨漏りにつながりやすい箇所でもあります。だからこそ、棟まわりの工事は経験と知識が求められる部分だと私たちは考えています。
接触・密着が引き起こすトラブルは他にもある
瓦同士の接触・密着によるトラブルは、今回のケースに限った話ではありません。棟に雑草が生えてしまうケースも、根っこをたどると似た構造の問題を抱えていることが多く、棟内部の葺き土に雨水が入り込んで乾きにくくなり、そこに種が入り込むことで発芽してしまいます。放置すると、雑草の根が棟内部を押し広げ、棟瓦のズレや崩れにつながることもあります。
共通して言えるのは、「見た目は大きな異常がなくても、内部では少しずつ水が入り続けている」ケースが瓦屋根には多いということです。だからこそ、定期的な点検で早めにサインを見つけることが、大きな工事を避ける一番の近道になります。
現場での提案:棟瓦を削って中心部への浸水を防ぐ
今回のお宅では、棟全体を大掛かりに積み直す必要があるほどの劣化ではなく、接触しかけている棟瓦の一部を削って適切な間隔を作り直すことで、雨水が棟中心部へ流れ込むのを防ぐご提案をさせていただきました。
瓦をむやみに削るのは避けるべき作業ですが、原因が特定できているピンポイントの接触であれば、瓦の形状を調整して水の逃げ道を作り直すことは、屋根への負担も少なく、費用面でもお客様にとって現実的な選択肢になります。もちろん、棟内部の下地材(葺き土や漆喰)の劣化が進んでいる場合は、部分的な調整だけでは不十分なこともあるため、必ず内部の状態も合わせて確認したうえで判断するようにしています。
ご自宅でできる簡易チェックポイント
屋根に上がっての点検は危険を伴うため、お客様ご自身で無理に行う必要はありません。ただし、地上や2階の窓などから見える範囲で、次のようなサインがあれば要注意です。
- 天井や壁紙にシミ、黒ずみ、輪ジミのようなものがある
- 棟のラインが波打って見える、一部が浮いている・ズレている
- 棟に雑草やコケが生えている
- 漆喰が剥がれている、欠けている箇所がある
- 10年以上前に棟の工事をした記録がある
特に「棟瓦の積替えや積み直しから10年前後が経過している」というのは、今回のようなケースが起こりやすいタイミングでもあります。工事から年数が経ったお宅は、一度プロの目でチェックしておくと安心です。
まとめ
今回の土佐市の現場は、天井のシミという分かりやすいサインから始まり、原因を辿ると「棟瓦と桟瓦のわずかな接触」という、普段は見えづらい部分に行き着きました。瓦屋根は、瓦同士の適切な間隔によって雨水をコントロールしている構造物です。その間隔がわずかに崩れるだけでも、雨漏りという形で症状が現れることがあります。
「うちも昔、棟の工事をしたな」という方は、それが順調に機能しているかを確認する意味でも、一度点検を受けてみることをおすすめします。
無料点検・お問い合わせについて
村山瓦では、高知市を中心に土佐市を含む周辺エリアで屋根の無料点検を行っております。「天井にシミがある」「棟の工事をしてから年数が経つ」など、気になる点があればお気軽にご相談ください。
【対応エリア】高知県高知市を中心に弊社事務所から車で30分~1時間圏内(圏外の方もお気軽にご相談ください)
【お電話】088-882-2339(受付:8:00~17:00 定休日:日曜日)
【WEBからのお問い合わせ】お問い合わせフォームはこちら




