玄関の屋根が大変なことに・・・
- 代表村山の現場ブログ
【現場日誌】玄関先の棟瓦がグラグラ…緊結ゼロだった屋根を見て感じたこと
高知市で屋根のリフォーム・修理を行っている村山瓦です。今日も朝から現場を回っていたのですが、玄関の真上にある棟瓦(むねがわら)の状態が気になるお宅に伺い、ちょっと緊張する場面がありましたので、現場の様子をそのまま記事にしてみます。
朝イチの現場で目に飛び込んできた光景
お客様からのご相談内容は「玄関の上の瓦が何だか浮いて見える」というものでした。車を停めてお宅の前に立った瞬間、こちらが指摘するまでもなく一目で分かるほど、玄関真上の棟が波打っていました。長年この仕事をしていると、遠目からでも「これは危ないやつだ」という感覚が働くのですが、今回はまさにそのパターンでした。
近くに寄ると、棟の合わせ目からひょろっと雑草が伸びているのも見えました。雑草は屋根にとって珍しいものではありませんが、「雑草が生えている=内部に水が溜まりやすい状態になっている」というサインでもあるので、見た瞬間に頭の中では次にチェックすべきポイントがいくつか浮かびました。
棟の上に上がって分かったこと
はしごをかけて実際に手で触れて確認すると、案の定というか、瓦がわずかに動きます。しっかり固定されている棟であれば、多少力を加えてもビクともしないのが普通ですが、今回は指先で押しただけで小さくガタつきました。
瓦を一部持ち上げて内部を見てみると、次のような状態が重なっていました。
- 棟瓦の内部、葺き土に雑草の根が食い込んでいる
- 瓦同士を固定するはずの銅線による緊結処理が見当たらない
- 本来なら粘りのある葺き土が、パサパサに乾いてやせている
正直、現場に出ているとよく見る組み合わせではあるのですが、玄関の真上でここまで進行しているケースは久しぶりでした。人の出入りが多い場所なだけに、対応の優先度は高いと判断しました。

緊結がない棟は何が問題なのか
少し専門的な話になりますが、棟瓦は本来、一枚一枚を銅線や鉄線でしっかりと下地・芯材に緊結し、地震や強風があっても外れ落ちないようにするのが基本的な施工ルールです。この緊結処理があることで、瓦同士が一体化し、多少の揺れや風圧を受けても瓦がバラバラにズレることを防いでいます。
ところが、施工年代や工法によっては、この緊結が省略されていたり、当初はあっても年月とともに線が劣化して切れてしまっていることがあります。緊結がなくなると、瓦を留めているのは葺き土の粘着力のみという心もとない状態になります。今回の現場は、まさにこの「緊結なし」の状態が長年続いていたと考えられました。
葺き土がやせるってどういうこと?
葺き土は、瓦の下に敷き詰めて瓦を接着・固定するための土台の役割を果たしている材料です。施工直後は適度な水分と粘りを保っていますが、屋根は常に雨風や日射にさらされる場所ですから、長年の湿潤と乾燥の繰り返しによって少しずつ水分やコシが失われていきます。これが「葺き土がやせる」と呼ばれる現象です。
葺き土がやせてしまうと、そこに瓦を固定しておく力そのものが弱くなります。緊結という物理的な固定策があればある程度カバーできますが、緊結がない状態で葺き土まで弱っていると、瓦を支えるものが実質的に何もない状態に近づいてしまいます。今回のお宅は、まさにこの「二重の弱点」が重なっていたケースでした。
このまま様子見はNGな理由
現場では「まだ落ちていないから、もう少し様子を見たい」と考える方も少なくありません。ですが、私たちの経験上、ここまで棟がグラついている状態を放置するのはおすすめできません。理由は大きく2つあります。
- 落下事故のリスク:特に玄関のような人通りの多い場所では、瓦の落下がケガにつながる可能性があります。台風や地震のタイミングでなくても、経年劣化だけで落下することもあります。
- 雨漏りへの進行:棟の隙間が広がると、そこから雨水が浸入し、野地板や垂木といった屋根内部の木部にまでダメージが及ぶことがあります。表面的な補修では内部の傷みまでは止められません。
お客様へのご提案|積み替え工事の中身
今回は、応急的に雑草を抜いたり、隙間をコーキングで埋めたりする対処ではなく、根本からやり直す「棟瓦の積み替え工事」をご提案しました。工事の流れは以下の通りです。
- 既存の棟瓦をすべて撤去し、内部(葺き土・下地・野地板の状態)を目視で確認する
- 劣化した葺き土を取り除き、新しい材料で棟の土台を作り直す
- 棟瓦を一枚ずつ銅線でしっかり緊結し、地震・強風に強い状態に固定する
- 雨水の侵入を防ぐよう、漆喰または耐久性の高い材料で仕上げる
今回いちばんお伝えしたかったのは、「緊結をきちんと行うこと」の重要性です。見た目をきれいに整えるだけの補修では、内部の土台が弱いままなので、数年後にまた同じ症状が出てくる可能性が高くなります。長く現場に出ていると、そうした再発事例を何度も見てきましたので、今回は迷わず積み替えをご提案しました。
気になる費用感について
棟瓦の積み替え工事の費用は、棟の長さ・使用する材料・足場の要否などによって変動します。一般的には、部分的な棟の補修であれば数万円程度から、棟全体をしっかり積み替える工事になるとそれ以上の費用になることが多く、正確な金額はやはり現地調査をしてみないと分かりません。相場だけを先に知りたいお気持ちはよく分かりますが、屋根の劣化状況は一軒ごとに大きく異なるため、無料点検・お見積りで実際の状態を見せていただくのが、結果的にいちばん確実で分かりやすい方法だと考えています。
屋根に上らなくてもできるチェック方法
「うちの屋根も心配になってきた」という方は、まずは地上からできる範囲で以下を確認してみてください。屋根への立ち入りは転落の危険があるため、絶対にご自身で上らないようお願いします。
- 棟の上に雑草やコケが見えないか
- 棟のラインが波打つ、一部が浮いて見えないか
- 漆喰の剥がれ・黒ずみ・欠けがないか
- 強風や台風のあとに、屋根の印象が変わっていないか
一つでも気になる項目があれば、今回のケースのように内部で緊結不良や葺き土のやせが進行している可能性があります。
現場を回って改めて思うこと
今回のように、地上から見ても分かるほど棟が傷んでいるお宅は、決して珍しくありません。特に築年数が経過したお宅では、施工当時の工法や緊結の有無によって、劣化の進み方に差が出やすいというのが現場の実感です。「まだ雨漏りしていないから大丈夫」ではなく、「雑草や瓦のズレが見えたら点検のサイン」だと考えていただくのが、結果的にお住まいを長持ちさせるコツだと感じています。
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村山瓦は高知県高知市を中心に、創業70年以上、施工実績10,000件以上の屋根工事専門店です。屋根業界の最難関資格「瓦屋根診断技士」を持つ職人が、調査から施工、アフターフォローまで一貫して対応いたします。「棟に草が生えている気がする」「瓦がズレて見える」など、気になる点がございましたら、無理に屋根に上がらず、まずはお気軽にご相談ください。
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