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築100年の屋根で見えた「袖瓦なし工法」の弱点

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高知市で破風の漆喰が崩れて瓦がずれた話|築100年の屋根で見えた「袖瓦なし工法」の弱点

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村山瓦です。先日、高知市のお宅で「破風(はふ)まわりの漆喰が崩れて、瓦が下にずれてきているようだ」というご相談を受け、現場に伺いました。調査してみると、破風部分の漆喰が劣化してずれ、そこに乗っていた桟瓦(さんがわら)が少しずつ下がってきていることが分かりました。今回はその日の現場の様子と、築100年ほどの古い屋根ならではの工法の特徴、そして私たちがご提案した修繕方法について、現場目線でまとめます。

現場から:高知市「瓦がずれてきている」というご相談

その日は、高知市内のお客様からのお電話で一日が始まりました。「屋根の端のほうで、瓦が少し下がってきているように見える」というご相談です。実際にお伺いして下から見上げてみると、たしかに破風板の上あたりで瓦の並びが不自然に低くなっている箇所がありました。近くでよく見ると、本来白くきれいに納まっているはずの漆喰の部分がボロボロと崩れ、隙間ができてしまっている状態でした。

こうしたご相談は、現場に出ているとそれほど珍しいものではありません。破風まわりは屋根の中でも風雨の影響を強く受けやすい場所であるうえ、地上から見上げただけでは「ちょっと汚れているのかな」程度にしか見えないことが多く、瓦が実際にずれ始めてから初めて異変に気づかれる方がほとんどです。

破風ってどこ?屋根のプロが説明します

「破風(はふ)」とは、切妻屋根などの妻側(三角形になっている面)の、屋根の端に取り付けられている板や部材のことを指します。雨や風、紫外線を真正面から受け続ける部分であり、屋根の中でも劣化が進みやすい箇所のひとつです。

現代の屋根では、この破風部分に沿って「袖瓦(そでがわら)」と呼ばれる専用の瓦を並べ、雨水の吹き込みを防ぐのが一般的な納め方です。袖瓦は破風の上端を覆うようにL字型になっており、瓦と下地をしっかりガードしてくれます。ところが、今回のお宅のように建築年代の古い屋根では、この袖瓦を使わず、漆喰だけで瓦を固定して破風まわりを仕上げているケースが少なくありません。

現地調査でわかったこと(築100年・袖瓦を使わない古い工法)

今回のお宅は、築100年ほど経っているとのことでした。実際に屋根に上げていただき、破風まわりを確認したところ、次のような状態が見えてきました。

  • 破風部分の漆喰が広い範囲で劣化し、崩れて隙間ができていた
  • その隙間から、漆喰だけで支えられていた桟瓦が少しずつ下方向にずれていた
  • 袖瓦は使われておらず、当初から漆喰のみで瓦を固定する仕様だった
  • 漆喰の下にある下地自体も年数相応に傷んでおり、密着力が落ちている状態だった

築100年という年代は、瓦屋根の中でもかなり古い部類に入ります。当時の施工では、現在ほど袖瓦のような専用部材が普及しておらず、破風の納めを漆喰だけに頼る仕様が珍しくありませんでした。長年その状態で持ちこたえてきたこと自体はすごいことですが、さすがに漆喰にも下地にも寿命があり、今回はそのタイミングが重なった形です。

なぜ破風の漆喰は崩れて瓦がずれてしまうのか

ここが今回、一番お伝えしたいポイントです。漆喰は紫外線や雨風にさらされ続ける屋根の中でも、特に風当たりの強い破風という場所柄、年数が経つにつれて表面から傷み、ひび割れて欠けていきます。一般的に漆喰の寿命は20年前後といわれており、瓦本体の耐用年数(50〜60年以上)に比べるとかなり短命です。

さらにやっかいなのは、漆喰だけで瓦を固定している納め方の場合、漆喰が劣化すると「瓦を留めている力」そのものが弱くなってしまう点です。棟の漆喰であれば内部の葺き土(ふきつち)の保護がおもな役割ですが、今回のように瓦の固定を漆喰に頼っている破風まわりでは、漆喰の劣化がそのまま瓦のずれ・下がりに直結してしまいます。今回のお宅もまさにこの状態で、漆喰が崩れたことで支えを失った桟瓦が、少しずつ下方向へと動いていました。

袖瓦がない屋根は何が違うのか

袖瓦を使う現代の工法では、瓦本体が金具や引っ掛け構造でしっかり固定され、漆喰はあくまで隙間を塞いで雨水の侵入を防ぐ「補助的な防水材」としての役割が中心になります。そのため、多少漆喰が傷んでも瓦そのものが大きくずれ落ちるリスクは比較的抑えられます。

一方、今回のような漆喰のみで固定する古い工法では、漆喰が「防水材」であると同時に「瓦を留める接着剤」の役割も兼ねています。裏を返せば、漆喰さえしっかり機能していれば瓦は安定しますが、劣化が進んだ瞬間に固定力そのものが失われてしまう、いわば構造的な弱点を抱えた仕様だといえます。築年数の古いお宅で瓦のずれや下がりを見つけたときは、この工法の違いを念頭に置いて調査する必要があります。

村山瓦の提案:漆喰の詰め直しだけでなく下地の調整も含めた一部修繕

以上を踏まえ、今回のお客様には破風まわりの一部修繕をご提案しました。単純に崩れた漆喰を新しい漆喰で詰め直すだけでは、その下にある下地自体が弱っているため、いずれ同じ症状を繰り返す可能性が高いと判断したためです。

具体的には、ずれてしまった桟瓦を一度取り外し、下地の傷んでいる部分を調整・補強したうえで、瓦を正しい位置に据え直し、漆喰で改めてしっかりと固定する、という流れになります。表面の漆喰だけを直す「その場しのぎ」の補修ではなく、瓦を支えている土台から整えることで、再発のリスクを下げることを重視しました。築年数が古いお宅ほど、見えている症状の奥に下地の劣化が隠れていることが多いため、調査の段階で下地までしっかり確認することが大切だと、現場に出るたびに実感します。

漆喰の詰め直しと下地からの修繕、どちらが必要か

どちらが絶対に正解ということではなく、屋根の状態によって向き不向きがあります。

  • 漆喰の詰め直しが向いているケース:下地の状態が比較的良く、漆喰の劣化がまだ軽度な場合
  • 下地からの一部修繕が向いているケース:下地自体が傷んでいる、瓦が実際にずれ始めている、築年数がかなり経過している場合
  • 下地からの修繕のメリット:瓦の固定力を根本から回復できるため、再発しにくい
  • 下地からの修繕の注意点:瓦の取り外しを伴うため、漆喰のみの補修に比べて工事範囲や費用がやや大きくなる場合がある

屋根塗装や他の部分の修繕を検討されている場合は、同じタイミングで破風まわりの点検・修繕も済ませてしまうと、足場代なども含めて効率よく施工できます。

ご自宅の破風、地上からチェックできます

破風は妻側にあるため、実は地上からでも比較的様子を確認しやすい部位です。次のような点がないか、ぜひ一度見てみてください。

  • 破風のあたりで瓦の並びが波打っている、一部だけ低く見える
  • 破風付近の漆喰が白く欠けている、黒ずんでいる
  • 強風や台風のあとに瓦の位置が変わったように見える
  • 建築年数が古く、そもそも袖瓦が使われていない見た目をしている

※屋根に上がっての確認はとても危険です。あくまで地上から見える範囲にとどめ、気になる点があれば無理をせずご相談ください。

まとめ

破風の漆喰は、地上からも比較的気づきやすい場所でありながら、劣化が進むまで放置されがちな部位です。特に築年数の古いお宅では、袖瓦を使わず漆喰だけで瓦を固定している仕様が珍しくなく、漆喰の劣化がそのまま瓦のずれ・下がりに直結してしまうリスクがあります。

崩れた漆喰を同じように詰め直すだけでは、下地が弱っている場合、また数年後に同じ現象が起きることがあります。瓦のずれや漆喰の崩れを見つけたときは、表面の症状だけでなく下地の状態まで含めて確認し、必要に応じて一部修繕をご検討いただくことをおすすめします。

無料点検のご案内

村山瓦では、高知市を中心に屋根の無料点検を行っております。「破風のあたりで瓦がずれて見える」「漆喰が崩れているかも」「うちは古い家だけど大丈夫だろうか」など、気になる点があればお気軽にご相談ください。現場を実際に確認したうえで、最適な修繕方法をご提案いたします。

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