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瓦にヒビが入っている

  • 代表村山の現場ブログ

瓦のヒビは台風のせい?現場で見つけた「進行するヒビ」の正体

屋根の現場に出ていると、「雨漏りはしていないのに瓦にヒビが入っている」というご相談を いただくことがよくあります。今回は実際に現地調査に伺った際のお話をもとに、 瓦のヒビが起こる原因と、放置した場合のリスク、そして今回ご提案した工事内容について 詳しくお伝えします。

現場での出来事|雨漏りはないのに瓦にヒビが入っていた

今日伺った現場は、「特に雨漏りはしていないが、屋根の瓦を見てみたら細かいヒビが入っている気がする」 というお問い合わせでした。実際に屋根に上がって確認すると、たしかに数枚の瓦の表面に 髪の毛のような細いヒビが入っています。パッと見た目には大きな異常もなく、雨漏りの跡もありません。

ただ、こういう「今は問題なさそうに見えるヒビ」こそ、現場では一番慎重に見るポイントです。 屋根は毎日雨風や紫外線にさらされていますので、表面的に問題がなくても、内部では 少しずつ状態が変わっていることが多いからです。

「台風などの災害が原因では?」というご質問について

今回のケースはお客様のお宅の周辺で目立った飛来物の被害もなく、 アンテナなども設置されていませんでした。ヒビの入り方も、衝撃で欠けたような割れ方ではなく、 表面から細く線状に伸びているタイプのものでした。そこで「これは災害由来ではなく、 別の原因があるのでは」と考え、詳しく調査することにしました。

調査してわかったこと|あるメーカー特有の"進行するヒビ"

現地調査を進めていくと、使用されている瓦が、特定のメーカーで過去に製造された 瓦のロットに見られる特有のヒビ割れパターンと一致することがわかりました。 このタイプの瓦は、最初は髪の毛ほどの細いヒビから始まり、月日が経つにつれてヒビが 徐々に広がり、最終的には瓦自体が真っ二つに割れてしまうという進行の仕方をします。

髪の毛のようなヒビから瓦が割れるまでの流れ

  1. 瓦の表面にごく細いヘアークラック(髪の毛状のヒビ)が発生する
  2. 雨水がヒビに入り込み、乾燥と吸水を繰り返す
  3. ヒビが少しずつ深く・長く進行する
  4. 瓦の強度が落ち、最終的に瓦が真っ二つに割れる
  5. 割れた隙間から雨水が浸入し、雨漏りにつながる

今回のお宅は、まさにこの1〜2の段階でした。現時点では防水紙(ルーフィング)が 機能しているため雨漏りには至っていませんが、このまま経年変化が進めば、 近い将来、瓦の割れから雨漏りが発生する可能性が高い状態だと判断しました。

専門家の視点|瓦にヒビが入る主な原因

瓦のヒビ割れは、今回のような特定のメーカー・製造ロットに起因するもの以外にも、 いくつかの代表的な原因があります。点検の際の参考にしてください。

瓦にヒビが入る主な原因
原因 特徴
台風・強風による飛来物 小枝や瓦礫、倒れたアンテナなどがぶつかって衝撃で割れる
凍害 瓦内部の水分が凍結・融解を繰り返し、内部から劣化が進む
経年劣化・製造時のムラ 焼成時のわずかな不均一さから、年数経過とともにヒビが進行することがある
踏み割れ 点検やアンテナ工事などで屋根に上がった際、誤った踏み方で割れる
設備の重み 太陽光パネルやアンテナなどの重量が長期間かかり続けることで発生

このように原因はさまざまですが、共通して言えるのは「小さなヒビでも、放置すれば 進行する可能性がある」ということです。特に、粘土瓦は本来50年以上の耐久性を持つ 丈夫な屋根材ですが、内部からの劣化や特定ロットの不具合による割れは、 表面を見ただけでは判断がつきにくいのが実情です。

ヒビを放置するとどうなるか

瓦の下には防水紙(ルーフィング)という2次防水の層があり、多少のヒビが入った程度では すぐに雨漏りには直結しません。しかし、これはあくまで「時間稼ぎ」ができているだけの状態です。

  • ヒビが広がり、瓦が割れることで雨水の侵入量が増える
  • 防水紙にも紫外線・雨風による経年劣化が進んでいく
  • 防水紙が劣化・破損すると、雨漏りが野地板や木部にまで達する
  • 木部が腐食すると、屋根の強度そのものが低下する

現場でよくお伝えしているのは、「瓦のヒビ=今すぐ雨漏りする合図」ではなく、 「瓦のヒビ=内部に水が入りやすい状態のサイン」だということです。 今は大丈夫でも、次の台風や大雨のタイミングで一気に状況が悪化することもあります。

今回ご提案した工事|葺き替えをおすすめした理由

今回のお宅では、部分的な差し替えではなく「葺き替え工事」をご提案しました。 理由は主に次の3点です。

  1. ヒビの原因が瓦自体の特有の性質であり、他の瓦にも同様の進行が予想されるため、 部分交換では根本解決にならない
  2. ヒビが確認できた瓦以外にも、目視ではわからない初期のヘアークラックが 広範囲に発生している可能性が高い
  3. 下地の防水紙も築年数相応に劣化しており、瓦だけでなく下地から 見直すことで長期的な安心につながる

部分的な瓦の差し替えは、費用を抑えられるという点でメリットがありますが、 今回のように「進行性のヒビ」が疑われるケースでは、応急処置的な対応を繰り返すよりも、 早い段階で葺き替えを行ったほうが、結果的に工事回数も費用も抑えられることが多いです。 お客様には現地調査の写真をお見せしながら、今の状態と将来的なリスクをご説明し、 納得いただいたうえで葺き替え工事をご提案させていただきました。

まとめ|小さなヒビでも早めの点検を

瓦のヒビは、台風などの災害によるものだけでなく、瓦自体の特性や経年変化によって じわじわと進行するケースもあります。「雨漏りしていないから大丈夫」と思っていても、 髪の毛のような細いヒビが、数年後には瓦の割れ・雨漏りにつながることは 現場でも決して珍しくありません。

ご自宅の瓦に気になるヒビや違和感がある場合は、無理に屋根に上がって確認しようとせず、 まずはプロによる無料点検をご利用ください。今の状態を正確に把握することが、 工事費用を抑え、長く安心して暮らすための第一歩になります。